第12話「遠回り」

最終話はリクオ・ハル・榀子・浪の4人の関係を暗喩する描写を3つ考察します。
①公園
②缶コーヒーと目の色
③ベンチ

【公園

リクオと榀子が話をする”公園”という場所は、第2話「袋小路」で榀子が桜の花とブランコに囚われていた公園の様子と対比されています。

※ブランコと桜の花の考察は第2話・第4話を参照下さい。



季節は5月。花が散りすっかり葉桜になった今、榀子はブランコを背にして、リクオとともにゆっくりと歩いている。
➡️過去に囚われていた榀子がゆっくりと今を生きられるようになった描写

さらに、ベンチに座る2人の前には池が広がり、周囲には新緑の木々が生い茂っている。
5月の爽やかな日差しの中で、木々と池が穏やかに溶け合っている
➡️木々=森ノ目、池=魚住を表すことから、榀子とリクオが穏やかに互いを理解し合う描写


【缶コーヒーと目の色
榀子とリクオが穏やかに溶け合った公園で、リクオは榀子に青の缶コーヒーを渡し、自分は赤い缶コーヒーを飲む。
➡️リクオの目の色が赤浪の目の色が青であることから、リクオは榀子が浪を選ぶことをわかっていて、そっと背中を押した描写になっている。


【ベンチ
榀子とリクオが座ったベンチでは、2人の間に榀子のカバンがあったのに対し、ハルとリクオが座ったベンチでは、2人の間に障害物はなく、カースケの鳥籠もハルの傍に置かれている。
➡️榀子とリクオの恋愛関係が終わり、ハルとリクオの関係が始まる描写


最後まで視覚表現が巧みな作品でした。
中でも色を使った表現は、色のない原作をアニメ化するにあたって特にこだわった部分なのではないでしょうか。全12話、ありがとうございました。