第5話『にくいあん畜生』②
〜殺人事件まとめ〜

前回、第5話での啄木の真意について考察しました。


今回は探偵處らしく、裏で進行している”事件”について整理していきます。


【贈収賄事件】
第5話。
啄木と下宿先のカヨとの会話によると、
内本汽船という会社の御曹司が、その女中を殺害。
女中の告発状から、内本汽船が政治家に賄賂を贈っていたことが発覚。政治家は収賄の容疑で逮捕された。

※明治時代の汽船会社は、財閥系の大会社である。(例:東洋汽船)


【鉱毒事件】
第1話。
荒川銅山という会社の大番頭・小栗が、その使用人だった星野達吉を殺害したと容疑をかけられる。
達吉の告発状から、荒川銅山が鉱毒を垂れ流していることが発覚。鉱毒事件に発展した。

※荒川も大財閥とされている。

➡️その後、啄木は小栗は犯人ではないと推理。達吉の告発状は真犯人によってあらかじめ書かされたものだと断定した。



《2つの事件の共通点》
・「告発状」を書いた人間が殺されている
「告発状」により大会社の不正が明らかになっている
・殺害容疑は大会社の重役にかけられている(御曹司、大番頭)

➡️鉱毒事件のように贈収賄事件にも真犯人がいるとすれば、真犯人の目的は《2つの事件の共通点》から「大会社の不正を世に知らせ、会社の重役に罪をきせること」になります。

今後も同様の事件が起きるのか?第6話以降も注目です。

啄木鳥探偵處 (創元推理文庫)
伊井 圭
東京創元社
2008-11-22