第12話『Anima-City』
〜あなたがあなたであることを否定する権利は誰にもない〜

Netflixにて独占先行配信中の2020年春アニメBNA。
今回は第12話をレビューします。



市長は、みちるの血液がニルヴァジールシンドロームを発症した獣人を治療する鍵となることを発見。だが、アランは、獣人問題の”解決策”を実行に移す。
出典:Netflix「BNA」配信ページ

まずは第12話のストーリーです。


なずなに噛み付いたことで士郎のニルヴァジールシンドロームの症状が改善。このことから市長は、なずなの血液を使ってニルヴァジールシンドロームを改善できる抗体血清を作り始める。

一方アランは、予定通り獣因子消滅薬をアニマシティにばら撒こうとしていた。
ライブに集まった獣人たちにニルヴァジールシンドロームを発症させ、獣因子消滅薬で人間にするというこの一連のプロジェクトは、アランがニルヴァジールシンドロームの危険性を世界中に知らせ、獣因子消滅薬使用の正当性を訴えるためのデモンストレーションだと言う。

しかし、単純にニルヴァジールシンドロームから獣人を守ることが目的なら、わざわざ獣因子消滅薬を使わなくても市長が開発中の抗体血清を使えば良い

それでも獣因子消滅薬にこだわるアランには本当の目的があった。


【アランの本当の目的】
シルヴァスタ家は古くから人間界に溶け込み支配してきた獣人だったのだ。
そしてアランも士郎と同様不死身の力を持っており、これは1000人の狼獣人の血を集めて授かる力だと言う。士郎の場合、1000年前のニルヴァジールの町で偶然同じ現象が起きたらしい。

士郎を含め大半の獣人が、人間との接触を嫌い先祖代々の土地を離れて他の獣性の獣人と交わる中(アランいわく”雑種”)、シルヴァスタ家は他の獣性の獣人とは決して交わらず、己の獣性を守ってきた(アランいわく”純血種”)。
アランは、純血種であるシルヴァスタ家こそが本物の獣人であり、雑種の獣人など獣人ではないという「純血主義思想」の持ち主だった。
このため、アランが獣人でないとみなす”雑種”の獣人を人間にしようとしたのだ。

さらにアランによれば、ニルヴァジールシンドロームは”雑種”に特有の症状であり、純血種の自分は発症しないという。
しかし実際は、銀狼になった士郎に追い込まれたアランは自らニルヴァジールシンドロームを発症してしまう。士郎はアランに自分を噛みつかせ、みちるの血によってできた免疫抗体をアランに摂取させることでアランを救った。復讐の虚しさを誰よりも知っているのは士郎だった。

市長は無事に抗体血清を作り上げ、時間はかかったがアニマシティに平穏が戻りつつある。

みちるはすぐに人間に戻ることはせず、人間から獣人になった自分だからこそできることを、アニマシティで探していく。(第12話終了)


【多様性を認める社会へ】
全話を通して「差別」がテーマになった本作品。最後は人間も獣人も関係なく、誰もが自分らしく思い思いに生きられる社会へと希望をつないでいます。

「あなたがあなたであることを否定する権利は誰にもない」

というメッセージを強く感じました。

〜余談〜
物語後半、特にアランによる「実はこうでした」という真相の独白が多くありました。
世界の全体像が徐々に明らかになる展開自体は良いのですが、その判明の仕方が、キャラクターによる言語的説明のみに終始していた点が少し残念です。
言葉の羅列なら小説で十分なわけで、映像、とりわけアニメーションならではの方法で真実を伝えてくれたらさらに深みが増したと思います。
それにしても、私としては間違いなく今期の覇権アニメです!!