第9話『コメットAを目指せ!』
 
文化祭での上映会は大成功に終わり、DVDの予約も多数取ることができた。しかし、ロボットアニメの権利はクライアントであるロボット研究部にあり、映像研に残された利益はごくわずかだった。金森は、学校の外に出て、自主制作物展示即売会「コメットA」に参加することを提案する。どこに行こうというのか、金森は浅草と水崎を連れて出かける。芝浜の市街地には、複雑な町並みや入り組んだ水路、地下商店街などが広がっていた。
出典:TVアニメ「映像研には手を出すな!」公式サイト

今回のキーワードは商店街」。

原作では、百目鬼が登場するのはコメットAへの参加が決まった後。アニメ制作費を工面するため、音響部の音源を売って手数料を徴収しようという金森の計画だった。
しかしアニメ版ではすでに百目鬼が登場しているので、音源販売手数料を新作の制作費にするルートが取れない(手数料で潤沢な制作費が手に入っているなら、そもそもコメットAという学校外での販売意義が薄れるから)。
そこで、アニメオリジナルの制作費回収ルートとして登場するのが芝浜商店街である



金森「遠出してランチしましょう」
ここまでアニメを視聴された方なら、金森の「遠出してランチしましょう」という発言に一抹の不安を感じるだろう。(私は感じた)
ともかく芝浜商店街へ向かう3人。金森がランチに選んだのは「果実麺」という担々麺屋。この店で働く男性が文化祭で映像研の作品を見て感動し、長文の感想を送ってきたらしい。

👉見どころ「芝浜商店街の街並み」
商店街を登場させたことによる大きな巧妙は、描ける情報量の多さにあると思う。

店の数が多くそのほとんどが小規模店のため、地域の特性を反映している。
(これが某イオンなどの大型店だと、地域特性はほぼ出ない。)
・3人が実際に街並みを歩くことで、道幅や建物の高さ、駅の有無、山との距離感などから地域の情報が読み取れる。
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出典:TVアニメ「映像研には手を出すな!」公式サイト

アニメの少ない話数の中に、効率よく情報を盛り込み、かつ視聴者の目を楽しませている。



ご当地アニメ制作決定
担々麺屋の男性は青年会の会長をしており、金森が「ご当地アニメ」の制作を提案するとこれを快諾。
街を盛り上げようと、芝浜商工会が制作費を全額出資してくれることとなった。
金森はあのランチの意義を「着想のお手伝いをしただけ」だと言うが、浅草と水崎を商店街から着想させることで結果的にご当地アニメにしてしまう金森氏、さすがとしか言いようがない。



みんな大好き「ちび森氏」!!
原作の中でも特に好きな第21話「雪山のちび森」。
幼い頃の経験から、商売における宣伝の重要性を学んだ金森、いや、ちび森のエピソード。
前述の商店街部分がほぼアニメオリジナルなのに対し、このちび森部分はほぼ原作まま。
しかも全て水彩画タッチで描くという熱の入りよう…。アニメスタッフがこのちび森エピソードをいかに大切にしているかが伝わってくる。ありがとう!!
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出典:TVアニメ「映像研には手を出すな!」公式サイト



前回に引き続き、アニメオリジナル部分が多くなっています。
それも原作の順番を上手く組み替えたり、エッセンスを抽出して制作されていて、原作の世界観は変えずにアニメとしての魅せ方にこだわっているのが伝わってきます。
まさに「アニメ映像研」!!