第10話『INSIDE-OUTED Ⅱ』


【飛鳥井木記の夢の性質】
※参照:前回記事↓


情報整理👉
・飛鳥井木記の夢に入ってくる人間が、(夢の時点より)未来についての感情や計画を持ち込んで来るため、それを反映した飛鳥井木記の夢が未来を描くことがある。
・状態としては予知夢に近い。
・言い換えれば、夢の時間は外の時間とは無関係である。

この性質を知った鳴瓢は、イドの中のイド(妻子が生きている世界)こそ現実であり、現在引き継いでいる”過去”の記憶は全て”長い夢”だったのではないか、と倒錯する。




【研究と失踪】
「飛鳥井木記はいかにして失踪したのか」
情報整理👉
・飛鳥井が入院していた病院では、白駒という職員により「夢を介在させた無意識への侵入」についての独自研究が行われていた。
・飛鳥井失踪当夜、集団昏睡した看護師のうち3人が同じ夢を見ていた。
・飛鳥井失踪当夜、白駒にはアリバイがある。
・飛鳥井失踪2日前、飛鳥井は意識朦朧としていて、自分自身で看護師たちを昏睡させて失踪したとは考えにくい。

看護師らを昏睡させ、病院から飛鳥井を連れ出すことができた人物は
①飛鳥井自身
②白駒
③ジョン・ウォーカー
と考えられるが、上記の情報から①と②の可能性は低く、必然的にジョン・ウォーカーの関与が濃厚



【砂の世界の真実】
情報整理👉
・カエルと酒井戸と穴井戸の手首にある拘束具の跡は、「カエルの側から動くな」というメッセージである。
・このメッセージを持つイドは落雷の世界、すなわち鳴瓢のイドであることから、砂の世界も鳴瓢のイドであり、傍の死体は鳴瓢のものである。
・酒井戸には頭部に空いた穴の影響で、「イドに潜る際に自意識を喪失する」という機能が働かない。これにより、酒井戸は富久田としての自意識と記憶を保ったままイドに潜ることが出来る。

結果👉
鳴瓢が自分自身のイドの中で、(酒井戸によって)自意識を取り戻した。
=ドグマに落ちる



用語:ドグマに落ちる
「自分自身のイドに入ることは禁じられている。イドは無意識からの産物だ。イドに潜ることはつまり、無意識を意識することだ。あくまでも理論上だが、イドはその意識の侵略から逃げようとするように、自らを不可視化しながら膨張すると考えられている。嵐みたいに。そして名探偵はその嵐に呑み込まれ、自分のイドの中で永遠にさまようことになるんだ。この状態を『ドグマに落ちた』と呼ぶらしい」(3話より)

ドグマに落ちるとどうなるのか👉
・ミズハノメが位置情報を見失って、パイロットの排出ができなくなる。
・コックピットの肉体が死んだとしても、精神はミズハノメの中で生き続ける。

これを防ぐための安全機能として、イドでは現実世界の自意識を喪失するように設計されている(富久田にはこの機能が働かない)。



以上の情報から、今回の推察をしてみました。

《殺人のない世界の作り方》
ジョン・ウォーカーの最終目標「殺人のない世界を作る」
手段①連続殺人鬼たちの殺人願望を飛鳥井の夢の中で昇華させること
手段②殺人鬼たちをドグマに落とすこと

前回、殺人のない世界を作るため、ジョン・ウォーカーは「夢の中で殺人鬼たちに飛鳥井を殺させ、現実に殺人をさせないようにしていた」可能性について論じました。確かに当初はこの方法で殺人のない世界を作れていたかもしれませんが、次第に夢の中だけで満足できなくなった殺人鬼が、現実世界でも殺人を犯すようになってしまった。このため、殺人のない世界を作る新たな手段として、「殺人鬼たちをドグマに落としてしまう」方法が考えられます。
この方法が機能するかの実験台として、鳴瓢が選ばれ、鳴瓢の自意識を取り戻させるために同時に富久田を投入した。
するとやはり、二人同時に投入を指示した早瀬浦がジョン・ウォーカーの可能性が高くなります。

実験台の他に、わざわざ鳴瓢を意図的にドグマに落とす理由が見つからなかったので、この路線で考えてみました。